古文助動詞の接続の覚え方|歌で覚える接続一覧と見分けポイント

古文助動詞の接続一覧と覚え方|歌で覚える接続と見分け方

歌のリズムで古文助動詞の接続を覚える方法を紹介する画像

古文の助動詞を本文中で見分けるには、意味を考える前に、助動詞の直前にある語の種類や活用形を確認することが大切です。

このページでは、古文助動詞の接続早見表、童謡「もしもしかめよ」を使った覚え方、ラ変型の活用をする語に続く場合の例外、二種類の「なり」「たり」の見分け方をまとめています。後半では、見た目が紛らわしい「あり+けり」と「咲け+り」などを比較しながら、本文中での判定方法を確認します。

古文助動詞の接続早見表

助動詞の接続とは、助動詞が前の語のどの形に付くかという決まりです。まずは、接続ごとの助動詞を一覧で確認しましょう。

スマホでは表を横にスクロールできます。

接続 助動詞 注意点 短い例
未然形 る・らる・す・さす・しむ・ず・む・むず・じ・まし・まほし 「まし」は未然形接続。「まじ」と区別する 咲か+む
連用形 き・けり・つ・ぬ・たり(完了・存続)・けむ・たし 完了・存続の「たり」は連用形接続 止み+ぬ
終止形 らむ・べし・まじ・らし・めり・なり(伝聞・推定) ラ変型の活用をする語には連体形で接続 降る+らむ
体言・連体形 なり(断定・存在) 伝聞・推定の「なり」と区別する 夢+なり
体言 たり(断定) 完了・存続の「たり」と区別する 将軍+たり
連体形/体言+の・が ごとし 体言に続く場合は「の」「が」を含むまとまりで確認する 夢+の+ごとし
特殊 サ変の未然形、四段の已然形に接続 用意せ+り

接続をまとめた語呂

る・らる・す・さす・しむ・ず・む・むず・じ・まし・まほし(未然形)
き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし(連用形)
らむ・べし・まじ・らし・めり・なり(終止形)
なり(体言・連体形)/たり(体言)/ごとし(連体形、体言+の・が)
サ未四已リ(り)

同じ「なり」「たり」でも、接続と意味の異なる助動詞があります。助動詞名だけでなく、直前の語と接続を合わせて確認しましょう。

古文助動詞の接続を確認するための学習用画像

本文で確認するときの基本手順

  1. 早見表や歌で覚えた形が本文中にないか探し、助動詞の候補として注目する。
  2. 候補となる語の直前にある語を確認する。
  3. 直前が活用語なら、基本形に戻して活用の種類と活用形を確認する。
  4. 直前が体言なら、体言に接続できる助動詞かを確認する。
  5. 「ごとし」の場合は、直前の一語だけでなく、「体言+の・が」というまとまりも確認する。
  6. 接続一覧と照らし合わせて、助動詞の種類や候補を絞る。
  7. 最後に、主語や前後の文脈を踏まえて意味を判断する。

一覧にある形と同じ文字が見つかっても、必ず助動詞とは限りません。動詞の一部や別の品詞である場合もあるため、直前の語と接続条件を使って確かめます。

助動詞の接続と活用の違い

接続は「前の語とのつながり方」

助動詞の接続は、助動詞が前の語のどの形に付くかを表します。

たとえば「花咲かむ」では、「む」が動詞「咲く」の未然形「咲か」に付いています。この「未然形に付く」という決まりが、助動詞「む」の接続です。

活用は「助動詞自身の形の変化」

助動詞の活用は、助動詞自身が文中でどのように形を変えるかを表します。

接続を確認するときは助動詞の前を見て、活用を確認するときは助動詞自身の形を見ます。接続と活用は、分けて考えることが大切です。

童謡「もしもしかめよ」で覚える助動詞接続

助動詞の接続は、一覧を眺めるだけでなく、リズムに合わせて口に出すと覚えやすくなります。ここでは、童謡「うさぎとかめ」の「もしもしかめよ」のメロディーに合わせる方法を紹介します。

童謡のリズムで古文助動詞の接続を覚える学習用画像

歌詞の例

むず・む・ず・じ・しむ・まし・まほし
る・らる・す~・さす・未然形
つ・ぬ・たり・けり・たし・き・けむ
らむ・べし・まじ・らし・な~り・めり
なり・たり・ごとし・サ未四已リ

歌の中では、同じ「なり」や「たり」が別の位置に出てきます。これは、接続や意味の異なる助動詞があるためです。

  • 終止形接続の「なり」は、伝聞・推定
  • 体言・連体形接続の「なり」は、断定・存在
  • 連用形接続の「たり」は、完了・存続
  • 体言接続の「たり」は、断定

歌で覚えた後に行うこと

歌は、助動詞の並びを思い出すための入口です。問題を解くときは、歌だけで判断せず、直前の語の種類や活用形と照らし合わせましょう。

接続別に助動詞を確認する

未然形に接続する助動詞

未然形に接続する助動詞は、次の11語です。

る・らる・す・さす・しむ・ず・む・むず・じ・まし・まほし

例の「花咲かむ」は、カ行四段活用動詞「咲く」の未然形「咲か」に、助動詞「む」が付いた形です。

接続は文法上の決まりです。「未然形だから、まだ起きていない意味になる」と意味から推測するのではなく、助動詞ごとの意味は別に確認します。

連用形に接続する助動詞

連用形に接続する助動詞は、次の7語です。

き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし

例の「風止みぬ」は、マ行四段活用動詞「止む」の連用形「止み」に、助動詞「ぬ」が付いた形です。

連用形接続の「たり」は完了・存続を表します。体言に付く断定の「たり」と区別しましょう。

終止形に接続する助動詞

終止形に接続する助動詞は、次の6語です。

らむ・べし・まじ・らし・めり・なり

例の「雨降るらむ」は、ラ行四段活用動詞「降る」の終止形に、助動詞「らむ」が付いた形です。

終止形接続の例外

ラ変型の活用をする語に続く場合は、連体形に接続します。

「らむ・べし・まじ・らし・めり・なり」は基本的に終止形接続ですが、「あり」やナリ活用の語など、ラ変型の活用をする語の後では連体形に付きます。詳しい見分け方は、後の「本文で迷いやすい助動詞」で確認します。

体言・連体形などに続く助動詞

  • なり(断定・存在):体言・連体形に接続
  • たり(断定):体言に接続
  • ごとし:活用語の連体形、または「体言+の・が」に続く

「夢なり」は体言「夢」に断定の「なり」が付き、「将軍たり」は体言「将軍」に断定の「たり」が付いた形です。

「夢のごとし」の場合、「ごとし」のすぐ前にある一語は格助詞「の」ですが、接続を確認するときは「夢の」というまとまりで見ます。体言「夢」に「の」が続き、その後に「ごとし」が付いている形です。「体言+が+ごとし」の形も同じように確認します。

特殊な接続をする助動詞「り」

完了・存続の助動詞「り」は、次の二つの形にだけ接続します。

  • サ行変格活用の未然形
  • 四段活用の已然形

「サ未四已リ」の意味

  • サ:サ行変格活用
  • 未:未然形
  • 四:四段活用
  • 已:已然形
  • リ:助動詞「り」

「用意せり」では、サ行変格活用動詞「す」の未然形「せ」に、助動詞「り」が付いています。

本文で迷いやすい助動詞の見分け方

「あり+けり」と「咲け+り」を区別する

「ありけり」と「咲けり」は、どちらも末尾が「けり」に見えますが、語の分け方が異なります。

本文の形 語の区切り 接続の確認
昔、男ありけり あり+けり 「あり」はラ変動詞「あり」の連用形。「けり」は連用形接続
花咲けり 咲け+り 「咲け」は四段動詞「咲く」の已然形。「り」は四段の已然形に接続

「咲けり」を「咲+けり」と分けることはできません。四段活用動詞「咲く」の連用形は「咲き」であり、「咲」は連用形ではないためです。

見た目だけで助動詞を決めず、直前の語を基本形に戻して活用形を確認すると、「けり」と「り」を区別できます。

終止形接続なのに「あるべし」「静かなるべし」となる理由

「べし」は終止形接続ですが、ラ変型の活用をする語に続く場合は連体形に接続します。

  • ラ変動詞「あり」:終止形は「あり」、連体形は「ある」
  • ナリ活用「静かなり」:終止形は「静かなり」、連体形は「静かなる」

ラ変動詞とナリ活用では、終止形の末尾が「り」、連体形の末尾が「る」となるラ変型の形が見られます。そのため、終止形接続の助動詞が後ろに来る場合も、「あるべし」「静かなるべし」のように連体形を使います。

二種類の「なり」を区別する

伝聞・推定:男もすなる日記

「なり」の直前にある「す」は、サ行変格活用動詞「す」の終止形です。終止形に付いているため、伝聞・推定の「なり」と判断できます。

断定:夢なり

「夢」は体言です。体言に付いているため、断定の「なり」と判断できます。

存在:京なる人

「京」は場所を表す体言です。「京にいる人」という存在の意味になるため、この「なり」は断定・存在の助動詞です。「なる」は、後ろの体言「人」を修飾する連体形です。

助動詞の前に対する接続と、助動詞自身が後ろの語に合わせて変化する活用を分けて確認しましょう。

二種類の「たり」を区別する

直前の語 助動詞の種類
花散りたり 「散る」の連用形「散り」 完了・存続の「たり」
将軍たり 体言「将軍」 断定の「たり」

同じ「たり」でも、直前が連用形か体言かによって種類を区別できます。

未然形接続の「まし」と終止形接続の「まじ」

助動詞 接続 主な意味
まし 未然形 反実仮想、ためらいの意志など 知ら+まし
まじ 終止形
ラ変型には連体形
打消推量、打消意志など 行く+まじ

歌や一覧では、未然形の列に「まし」終止形の列に「まじ」があることを確認してください。

接続だけでは「む」「べし」の意味を選べない

接続を確認すると、助動詞の種類や候補を絞れます。ただし、「む」や「べし」が持つ複数の意味までは、接続だけでは決まりません。

  • 文の主語
  • 一人称・二人称・三人称のどれか
  • 会話文か地の文か
  • 文末か、後ろの体言を修飾しているか
  • 係助詞や副詞など、周囲にある表現
  • 前後の文脈

接続で助動詞を確認した後、これらの情報を合わせて意味を判断します。

助動詞の接続を確認する練習問題

問題

  1. 「鳥鳴かず」の「ず」は、何形に接続していますか。
  2. 「昔、男ありけり」は、どこで語を区切りますか。
  3. 「花咲けり」は、なぜ「けり」ではなく「り」と判断できますか。
  4. 「山にあるべし」で、なぜ「ありべし」ではなく「あるべし」となるのですか。
  5. 「京なる人」の「なり」は、伝聞・推定と断定・存在のどちらですか。
  6. 「将軍たり」の「たり」は、完了・存続と断定のどちらですか。
答えを確認する
  1. 「鳴か」はカ行四段活用動詞「鳴く」の未然形なので、「ず」は未然形に接続しています。
  2. 「あり+けり」と区切ります。「あり」はラ変動詞「あり」の連用形です。
  3. 「咲け」は四段動詞「咲く」の已然形であり、四段の已然形には助動詞「り」が接続するためです。「けり」に接続する連用形なら「咲き」になります。
  4. 終止形接続の「べし」は、ラ変型の活用をする語には連体形で接続するためです。
  5. 体言「京」に付いて場所での存在を表すため、断定・存在の「なり」です。
  6. 体言「将軍」に付いているため、断定の「たり」です。

助動詞の接続でよくある質問

助動詞の接続と活用は何が違いますか?

接続は前の語とのつながり方、活用は助動詞自身の形の変化です。接続は助動詞の前、活用は助動詞自身を見て確認します。

「まし」と「まじ」は、どの活用形に接続しますか?

「まし」は未然形接続、「まじ」は終止形接続です。「まじ」はラ変型の活用をする語には連体形で接続します。

終止形接続なのに、なぜ「なるべし」となるのですか?

終止形接続の助動詞は、ラ変型の活用をする語に続く場合、連体形に接続するためです。

二種類の「なり」は接続からどう区別しますか?

終止形に付く「なり」は伝聞・推定、体言・連体形に付く「なり」は断定・存在です。ただし、伝聞・推定の「なり」がラ変型の活用をする語に続く場合は、連体形に接続します。

完了・存続の「たり」と断定の「たり」はどう違いますか?

完了・存続の「たり」は連用形、断定の「たり」は体言に接続します。

「サ未四已」とは何ですか?

「サ未」はサ変の未然形、「四已」は四段の已然形を表します。この二つの形に助動詞「り」が接続します。

歌だけを覚えれば問題を解けますか?

歌は並びを覚える方法です。本文では、直前の語の種類や活用形を確認する必要があります。

接続だけで助動詞の意味まで判断できますか?

接続で候補を絞ることはできますが、複数ある意味は主語や文末表現、前後の文脈などから判断します。

まとめ:助動詞の接続は一覧・歌・本文例で確認する

  • 助動詞の接続は、助動詞が前の語のどの形に付くかという決まり。
  • 早見表や歌にある形を候補として探し、接続条件から助動詞かどうかを確かめる。
  • 直前が活用語なら活用形を、体言なら体言接続の助動詞かを確認する。
  • 「ごとし」は、直前の一語だけでなく「体言+の・が」というまとまりを見る。
  • 未然形接続は「まし」、終止形接続は「まじ」と区別する。
  • 終止形接続の助動詞は、ラ変型の活用をする語には連体形で接続する。
  • 「なり」と「たり」には、接続と意味の異なる助動詞がある。
  • 「あり+けり」と「咲け+り」は、直前の語の活用形から区別できる。
  • 接続で候補を絞った後、主語や文脈から意味を判断する。

「助動詞の候補はどこか」「直前の語は何か」「活用語か体言か」「活用語なら何活用の何形か」「接続条件に合っているか」という順番で確認すると、助動詞を本文読解に使いやすくなります。

本文の中で助動詞を見分ける練習をしたい方へ

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