漢文のコツ|返り点と句法で読める6ステップ完全版 高校生向け

高校国語/漢文
漢文の読み方を基礎から確認

漢文の読み方|返り点・句法・主語のコツを高校生向けに整理

漢文は、返り点で読む順番が分からない、句法の訳が出てこない、文の主語を見失うといったところで、読み方がぶれやすい科目です。

このページでは、短い漢文を実際に読みながら、返り点を追う、書き下し文に直す、句法と主語を確認する、現代語訳にまとめるという流れを高校生向けに解説します。

漢文の読解力を高めるための6つの学習項目を示した画像

漢文を読めるようにするには、問題を闇雲に解くのではなく、本文を読むときの処理順序を決めておくことが重要です。

まずは、返り点で語順を決める、句法を確認する、主語を押さえる、意味をまとめるという四つの作業を区別しましょう。音読や語彙の復習は、普段の練習として別に取り組みます。

漢文の読み方で最初に押さえたい3つのポイント

漢文を読むときは、いきなり意味を推測するのではなく、次の三点を順番に確認します。

  1. 返り点:漢字をどの順番で読むかを決める
  2. 句法:否定、再読文字、疑問、反語などの決まった訳し方を当てる
  3. 主語:誰が行動しているのかを文脈から判断する

基本となる流れは、語順を決める → 句法を当てる → 主語を確認する → 現代語訳にまとめるです。読めない漢字があっても、最初からすべての意味を決める必要はありません。

よくある状態 先に行うこと 今日の10分練習 注意点
返り点で手が進まない 意味を考える前に、レ点と一二点を追って語順を決める 短文を一つ選び、読む順番だけを数字で書き込む 漢字の並び順のまま読まない
句法が出てこない 形、読み方、訳をセットで確認する 否定や再読文字を五例だけ音読する 形を確認せず、文脈だけで訳さない
漢字の読みが分からない 送り仮名、置き字、句法、前後の語を先に見る 読めない字の前後にある訓点を確認する 一字の読みだけに時間を使いすぎない
主語が追えない 人物名と動作を文ごとに対応させる 一段落だけ、主語候補に印を付ける 訳語を補う前に、主語と述語を対応させる

漢文はどの順番で読む?短い一文で確認

ここでは、読み方を確認するための自作例を使います。原文の漢字を左から順番に訳すのではなく、返り点に従って読む順番を組み替えることがポイントです。

説明用の自作例

此書

読む順番 1此書

2

3
書き下し文 此の書を読まず。
現代語訳 この本を読まない。
句法 「不〜」の否定表現
主語 この一文だけでは書かれていないため、前後の文脈から判断する
段階1

一点を探す
此書を先に読む

段階2

二点へ戻る
「読」を読む

段階3

レ点へ戻る
「不」を読む

「此書」に付いた一点を先に読み、次に「読」に付いた二点へ戻ります。その後、レ点に従って「不」へ戻るため、読む順番は「此書 → 読 → 不」です。

確認問題1:この文の主語は誰ですか

この一文には主語が明示されていません。前の文で話題になっている人物や、前文の動作主がそのまま続いていないかを確認します。

確認問題2:読む順番・句法・書き下し文を答えてみましょう

問題:「未此書。」の読む順番、句法、書き下し文を考えてください。

  • 読む順番:未(いまだ)→ 此書 → 読 → 未(ず)
  • 読み方のポイント:再読文字の「未」は、最初に「いまだ」と読みます。その後、一点の付いた「此書」を読み、二点の付いた「読」へ戻り、最後に同じ「未」を「ず」と読みます。
  • 句法:再読文字「未」
  • 書き下し文:未だ此の書を読まず。
  • 現代語訳:まだこの本を読んでいない。

漢文の読み方に必要な基礎知識

漢文で返り点・句法・主語を確認する学習イメージ

レ点・一二点の読み方

返り点は、漢文を日本語の語順で読むための記号です。まずは、使用頻度の高いレ点一二点を正確に追えるようにします。

返り点 説明用の例 読む順番 書き下し文
レ点 書 → 読 書を読む
一二点 此書 此書 → 読 此の書を読む

レ点は、直後の字や語を先に読んでから戻る記号です。一二点では、一点の付いた部分まで読んだ後、二点の付いた字へ戻ります。

返り点が重なっている文では、一度に全文を読もうとせず、一点を探す、対応する二点へ戻る、レ点があればさらに戻るというように、小さなまとまりで確認します。

送り仮名・ふりがな・置き字はどう読むか

漢文の本文には、漢字の読み方を示すふりがなだけでなく、日本語として読むための送り仮名や、書き下し文ではその字自体を読まない置き字が付いています。それぞれの役割を混同しないことが大切です。

種類 役割 確認するときのポイント
ふりがな 漢字の音や訓の読み方を示す 教科書や問題文に示された読みを確認する
送り仮名 活用や助詞など、日本語として読むための形を補う 漢字だけでなく、横に付いた仮名まで含めて読む
置き字 書き下し文では字を直接読まず、助詞などの形に反映することがある 「於」「于」「乎」などは、文中での働きと書き下し文を照合する

ふりがなの表示例

はく
(音読:いわく)

いま

書き下し文では、歴史的仮名遣いによって「曰はく」と表します。実際に声に出すときは、一般に「いわく」と読みます。

ふりがなは漢字の読みを示し、「はく」「だ」の部分は送り仮名として日本語の形を補っています。学校や教材で読み方の指定がある場合は、その表記に従ってください。

置き字を含む説明用の自作例

於師

書き下し文:師に学ぶ。

「於」は書き下し文で「於」とは読まず、「師に」の「に」に働きが表れています。ただし、同じ字でも文脈や用法によって処理が異なるため、字だけで機械的に判断しないことが重要です。

再読文字は形・読み・訳をまとめて確認する

再読文字は、一つの漢字を日本語の書き下し文の中で二度に分けて読む形です。最初の読みだけでなく、後ろに置く否定や助動詞まで含めて覚えます。

再読文字を含む説明用の自作例

此書

読む順番:未(いまだ)→ 此書 → 読 → 未(ず)

書き下し文:未だ此の書を読まず。

現代語訳:まだこの本を読んでいない。

「未」は最初に「いまだ」と読み、返り点に従って「此書」「読」と進んだ後、同じ字を「ず」と読みます。「未=まだ」と一語だけで覚えず、未だ〜ずという形で確認しましょう。

句法は形・読み・訳をセットで覚える

句法は、漢文に繰り返し現れる決まった表現です。文脈から意味を推測するだけでなく、形を見た段階で基本の読み方と訳を思い出せるようにします。

句法の種類 学習時に確認すること
否定 「不」「非」「無」「勿」などの字と、否定する範囲
再読文字 最初の読みと、後ろに対応する読み・訳
使役・受身 誰が誰に行動させるのか、誰が行動を受けるのか
疑問・反語 質問しているのか、反対の意味を強く示しているのか
仮定 条件となる部分と、その結果に当たる部分
比較・選択 何と何を比べ、どちらを選んでいるのか

すべてを一度に覚える必要はありません。まずは、教科書や問題集で繰り返し出る形を、句法名、読み方、基本の訳、短い例文の四つで整理します。

主語は何を手掛かりに判断するか

漢文では、同じ人物が続けて行動する場合などに主語が省略されることがあります。主語が書かれていないときは、次の手掛かりを順番に確認します。

  • 直前の文で主語になっていた人物
  • 新しく出てきた人物名
  • 「曰」「問」「答」など、会話や発言を示す語
  • その動作を自然に行える人物
  • 場面や話題が切り替わっていないか
  • 指示語がどの人物や事柄を指しているか

主語の確認用に単純化した自作例

次の例は、実際の漢文作品の文体を再現するためではなく、主語が切り替わる位置を確認するために作成した短文です。

太郎問次郎。曰、「読此書乎。」次郎曰、「未読。」

主語 判断の根拠
太郎、次郎に問ふ。 太郎 人物名が明示されている
曰はく、「此の書を読むか」と。 太郎 前文の動作主が続き、質問した内容を述べている
次郎曰はく、「未だ読まず」と。 次郎 新しい人物名が明示されている

現代語訳:太郎が次郎に尋ねた。太郎は「この本を読むか」と言った。次郎は「まだ読んでいない」と答えた。

主語を間違えたまま訳すと、誰が質問し、誰が答えたのかが逆になります。人物が二人以上出てきたら、文ごとに「誰が・どうした」を短くメモすると把握しやすくなります。

漢文が読めるようになるための6つの学習項目

漢文の読解力を伸ばす6つの学習項目の図解

漢文の学習では、本文を読む最中に行う作業と、普段から積み重ねる練習を分けて考えると、何をすべきかが分かりやすくなります。

区分 学習項目 確認すること
本文を読むとき 1. 書き下し文 返り点に従って、日本語の語順に直す
2. 句法 形、読み、基本の訳を当てる
3. 主語 誰が行動しているかを文ごとに確認する
4. 現代語訳 原文と対応させながら、文全体の意味をまとめる
普段の練習 5. 音読 書き下し文を声に出し、語順と読みを定着させる
6. 基本語彙 頻出する語を、文中での意味とともに覚える

本文を読むときに行う4つの作業

1. 返り点を追い、書き下し文を作る

最初に返り点と送り仮名を確認し、漢字を読む順番を決めます。意味が分からない字があっても、語順を先に決めることが大切です。

  • レ点と一二点を一つずつ追う
  • 助詞や送り仮名を含めて書き下す
  • 模範解答と比べ、どこで戻り方を間違えたかを確認する

2. 句法の形を見つける

否定、再読文字、使役、受身、疑問、反語など、決まった形がないかを探します。句法が見つかったら、まず基本の訳を当てます。

  • 句法に使われる字や組み合わせに印を付ける
  • 句法名と読み方を確認する
  • 文脈に合わせて、最後に読みやすい日本語へ直す

3. 主語と述語を対応させる

登場人物が複数いる場合は、文ごとに「誰が・どうした」を確認します。人物名が省略されているときは、前文の主語や動作の内容を手掛かりにします。

  • 人物名に印を付ける
  • 会話の始まりと終わりを区別する
  • 筆者の説明と登場人物の行動を分ける

4. 現代語訳と原文を照合する

自分で書き下し文と大まかな訳を作った後、現代語訳を確認します。答えを読むだけで終わらず、どの漢字や句法がどの訳に対応しているかを原文へ戻って確かめましょう。

  • 自力で考えた後に現代語訳を見る
  • 原文と訳文の対応箇所を線で結ぶ
  • 主語や目的語を補った箇所を確認する

普段から行いたい2つの練習

5. 書き下し文を音読する

音読は、漢文を日本語の語順で読む感覚を身につける練習です。最初は原文だけを無理に読むのではなく、正しい書き下し文を確認してから声に出します。

  • 最初はゆっくり、一文ずつ区切って読む
  • 返り点で戻る場所を意識する
  • 読みづらい部分だけを繰り返す
  • 教科書の朗読音源がある場合は、読み方を照合する

6. 基本語彙を文の中で覚える

漢文で繰り返し使われる語は、単独の意味だけでなく、短い例文と一緒に覚えます。教材や試験範囲によって必要な語は異なるため、まずは教科書や使用中の問題集に出てきた語から整理しましょう。

  • 頻出する語から優先して覚える
  • 漢字を見て意味を答える練習をする
  • 同じ字でも、文脈によって意味が変わらないか確認する
  • 短時間でも繰り返し見直す

漢字の読みやふりがなが分からないときの対処

漢文では、一字の読みが分からないだけで全文が読めなくなるとは限りません。次の順番で、周囲の情報から処理できる部分を探します。

  1. ふりがなと送り仮名を確認する
  2. 返り点から、その字を読む位置を確認する
  3. 句法を構成する字ではないか確認する
  4. 置き字として扱われていないか確認する
  5. 前後の人物名、場所、動作から意味の範囲を絞る
  6. 現代語訳を見た後、原文のどの字に対応するか確認する

読みを推測しただけで終わらせず、教科書、辞書、授業資料などで正しい読みを確認しましょう。特に人名や地名は、文脈だけで正確な読みを判断できないことがあります。

定期試験・共通テスト・大学受験で重視する点の違い

漢文の基本的な読み方は共通していますが、定期試験、共通テスト、大学の個別試験では、優先して練習する内容が異なります。

目的 重視したい内容 学習の進め方
学校の定期試験 教科書本文、書き下し文、授業で扱った句法や語句、現代語訳 試験範囲の本文を繰り返し読み、授業内容との対応を確認する
共通テスト 初見文の人物関係、句法、文章全体の流れ、設問や選択肢の根拠 本文中の根拠に印を付け、各選択肢が本文の内容と合っているかを照合する
大学の個別試験 初見文の返り点、句法判定、主語、文脈把握、書き下し文や現代語訳 志望校の出題形式に合わせ、記述問題を含む読解練習を重ねる

定期試験では、授業で扱った本文を正確に再現する力が重要です。共通テストでは、初見文を読みながら人物関係や句法を押さえ、選択肢の表現を本文と照らし合わせます。大学の個別試験では、書き下し文や現代語訳など、答案として表す練習も必要になります。

漢文の読み方についてよくある質問

漢文は何から覚えると読みやすくなりますか

最初はレ点と一二点を使って、短い文を正しい語順に直す練習から始めます。その後、否定や再読文字などの基本句法と、主語の確認方法を加えてください。具体的な順番は、短い一文の実例で確認できます。

返り点と句法はどちらを先に学べばよいですか

まずは返り点で語順を決める練習を優先します。語順が決まらないままでは、句法がどの部分にかかっているかも判断しにくいためです。ただし、実際の読解では返り点と句法を行き来しながら確認します。

書き下し文は毎回書いた方がよいですか

返り点に慣れていない段階では、短文でも実際に書く方が読み違いを見つけやすくなります。慣れてきたら、簡単な文は頭の中で処理し、間違えた文や複雑な文だけを書く方法でも構いません。

漢字の読みが分からないときはどうすればよいですか

ふりがな、送り仮名、返り点、句法、置き字の順に確認します。一字の読みだけに時間を使いすぎず、前後の人物や動作から文の骨格を作り、最後に辞書や現代語訳で正しい読みを確かめてください。詳しくは、漢字の読みが分からないときの対処で説明しています。

置き字と再読文字はどう見分けますか

置き字は、書き下し文でその漢字自体を直接読まないことがあります。再読文字は、一つの字を前後に分けて二度読む形です。字だけで決めず、送り仮名と書き下し文を照合して判断しましょう。

音読は原文と書き下し文のどちらで行いますか

最初は、正しい書き下し文を確認してから音読する方法が取り組みやすいです。その後、原文を見ながら返り点を追い、同じ書き下し文を再現できるか確認します。

主語が書かれていない文はどう判断しますか

直前の主語が続いていないか、新しい人物名が出ていないか、動作を自然に行える人物は誰かを確認します。会話文では、「問」「曰」「答」などの語も手掛かりになります。詳しくは、主語を判断する自作例を確認してください。

定期試験と共通テストでは勉強内容を変えるべきですか

返り点、句法、主語を確認する基本学習は共通しています。定期試験では教科書本文と授業内容の再現を重視します。共通テストでは初見文の人物関係や文章の流れを押さえ、各選択肢の根拠が本文中にあるかを照合する練習を増やしましょう。

漢文の読み方を確認した後の学習先

読み方の基本を確認した後は、学校の試験範囲に合わせるのか、苦手な単元だけを見直すのか、大学受験対策として進めるのかを分けて考えると、次の学習を選びやすくなります。

今の目的 確認したいページ
学校の漢文授業・試験範囲に合わせたい 古文漢文の定期テスト対策を確認する
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返り点や句法など一部だけ見直したい 古文漢文ワンポイント講座を確認する
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まとめ:語順・句法・主語の順に確認する

漢文を読むときは、漢字の意味を一字ずつ推測するのではなく、処理する順番を決めることが大切です。

  • 返り点を追って、日本語で読む語順を決める
  • 送り仮名や置き字を確認し、書き下し文を作る
  • 句法を見つけ、基本の読み方と訳を当てる
  • 主語を文脈から確認する
  • 現代語訳と原文を照合し、読み違えた箇所を見直す
  • 普段は音読と基本語彙の復習を続ける

最初から長文を完璧に訳そうとせず、短い一文で返り点、句法、主語を確認する練習を積み重ねていきましょう。

当塾での取り組み:必要な部分から個別に見直します

当塾は古典に特化した塾として、生徒一人ひとりの状況や目標に合わせた完全オーダーメイドの個別指導を行っています。

返り点で読む順番を組み立てられない場合、句法を覚えていても本文で使えない場合、人物関係を把握しにくい場合など、つまずいている箇所に応じて学習の流れを見直します。

教室だけでなくオンラインでも同様の指導を行っています。各講座の違いは、上の目的別表から確認できます。

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【中高・定期試験対策】:板書ノートや教科書ガイドの訳文暗記に頼らず、文法と読解を一体で鍛える個別指導です。教科書本文をもとに、返り点・句法・現代語訳の対応を確認します。

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【大学受験古典対策】:共通テストから個別試験までを視野に入れ、読解・文法・語彙をまとめて鍛える個別カリキュラムです。漢文句法・古文文法・読解演習を組み合わせて進めます。

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