丑三つ時は何時?十二支の時刻と丑の刻を表で確認
十二支の時刻
丑三つ時とは何時?十二支の時刻を古典読解向けに整理
丑三つ時とは、丑の刻を4つに分けたうちの3番目で、現代時刻の目安では午前2時〜2時半ごろです。丑の刻全体は午前1時〜3時ごろなので、丑の刻と丑三つ時は指す範囲が異なります。
このページでは、丑三つ時の意味と計算方法、子・丑・寅を含む十二支の時刻早見表、現代時刻へ置き換える際の注意点を整理します。『伊勢物語』や『枕草子』の例も取り上げ、時刻表現を古典本文の場面理解へつなげます。
丑三つ時は午前2時〜2時半ごろ
丑の刻全体と、その中に含まれる丑三つ時の関係を整理すると、次のようになります。
| 表現 | 指す範囲 | 現代時刻の目安 |
|---|---|---|
| 丑の刻 | 十二支一つ分の時間帯 | 午前1時〜3時ごろ |
| 丑三つ時 | 丑の刻を4つに分けた3番目 | 午前2時〜2時半ごろ |
※表内の時刻は、十二支一つ分を約2時間として現代の時計へ対応させた目安です。
このページで確認できること
- 丑三つ時の意味、丑の刻との違い、計算方法
- 十二支の時刻早見表と覚え方
- 現代時刻へ置き換える際の注意点
- 古典作品の中で時刻表現を読む方法
1. 丑三つ時の意味と丑の刻との違い
丑の刻は午前1時〜3時ごろの約2時間全体を指し、丑三つ時はその中の約30分を指します。丑三つ時は、丑の刻全体の別名ではありません。
丑一つから丑四つまでの時刻表
丑の刻を午前1時〜3時ごろとして4等分すると、一つの区切りは約30分になります。
| 呼び方 | 丑の刻の中での位置 | 現代時刻の目安 |
|---|---|---|
| 丑一つ | 1番目の区切り | 午前1時〜1時半ごろ |
| 丑二つ | 2番目の区切り | 午前1時半〜2時ごろ |
| 丑三つ | 3番目の区切り | 午前2時〜2時半ごろ |
| 丑四つ | 4番目の区切り | 午前2時半〜3時ごろ |
※表内の時刻は、十二支一つ分を約2時間として現代の時計へ対応させた目安です。
丑三つ時を計算する方法
丑の刻が午前1時に始まると考え、一つの区切りを30分として計算します。
丑三つ時の開始
午前1時+30分×2=午前2時
丑三つ時の終了
午前2時+30分=午前2時半
「三つ」という数字は午前3時を意味するのではありません。丑の刻を4つに分けたときの、3番目の区切りを表しています。
現代時刻への換算は目安
古い時刻表現を読むときは、作品の時代や使われていた時刻制度にも注意が必要です。
『日本書紀』には、斉明天皇6年(660年)に皇太子が漏刻と呼ばれる水時計を造り、民に時を知らせたことが記されています。天智天皇10年(671年)には、漏刻を置き、鐘鼓を鳴らして時を知らせたという記述があります。
近江神宮の解説によると、日本では一昼夜を12の時間帯に分けて十二支の名で呼び、一つの時間帯をさらに4つに分ける制度が『延喜式』などの文献から確認されています。少なくとも平安時代の宮廷では、季節によって時間帯の長さが変わらない定時法が、正式な時刻制度として使われていたとされています。
一方、江戸時代の日本では不定時法が使われました。夜明けから日暮れまでを昼、日暮れから夜明けまでを夜として、それぞれ6等分するため、一つの時間帯の長さは季節や昼夜によって変わります。
この記事の時刻表について:十二支との対応を理解しやすいように、十二支一つ分を約2時間として現代時刻へ置き換えています。古典作品を読むときは、厳密な時計時刻だけでなく、作品の時代や場面の流れもあわせて判断してください。
参考:セイコーミュージアム銀座「うしみつ(丑三つ)時」、飛鳥資料館「日本の“時間”は飛鳥で始まりました!」、近江神宮「漏刻について」、セイコーミュージアム銀座「不定時法の説明」
「草木も眠る丑三つ時」が表す場面
「草木も眠る丑三つ時」は、周囲が寝静まった深夜を表す言い回しです。怪談などの導入で使われることもあります。
古典読解では、幽霊との関係を前提にするのではなく、夜が深まり、人の動きや物音が少なくなった時間帯として捉えると、場面の静けさや緊張感を読み取りやすくなります。
2. 十二支の時刻早見表と基本
十二支を現代時刻に対応させる場合は、子の刻の中心を0時として考えます。そこから子・丑・寅・卯と十二支が一つ進むごとに、中心となる時刻も2時間ずつ進みます。
十二支12個の時刻早見表
| 十二支 | 中心となる時刻 | おおよその時間帯 |
|---|---|---|
| 子(ね) | 0時 | 前日の23時〜当日の1時 |
| 丑(うし) | 2時 | 1時〜3時 |
| 寅(とら) | 4時 | 3時〜5時 |
| 卯(う) | 6時 | 5時〜7時 |
| 辰(たつ) | 8時 | 7時〜9時 |
| 巳(み) | 10時 | 9時〜11時 |
| 午(うま) | 12時 | 11時〜13時 |
| 未(ひつじ) | 14時 | 13時〜15時 |
| 申(さる) | 16時 | 15時〜17時 |
| 酉(とり) | 18時 | 17時〜19時 |
| 戌(いぬ) | 20時 | 19時〜21時 |
| 亥(い) | 22時 | 21時〜23時 |
※表内の時刻は、十二支一つ分を約2時間として現代の時計へ対応させた目安です。
十二支の時刻の覚え方
12個の時間帯を一つずつ暗記するより、子の刻を0時として、十二支が一つ進むごとに2時間を足す方法で考えると確認しやすくなります。
- 子の刻:0時を中心とする
- 丑の刻:0時+2時間=2時を中心とする
- 寅の刻:0時+4時間=4時を中心とする
- 未の刻:0時+14時間=14時を中心とする
時間帯まで求めるときは、中心となる時刻の前後約1時間を考えます。たとえば、未の刻は14時を中心とするため、13時〜15時ごろです。
子・丑・寅の刻を並べて確認
深夜から明け方までの流れは、子・丑・寅の3つを続けて見ると理解しやすくなります。
| 時刻表現 | 現代時刻の目安 | 場面のイメージ |
|---|---|---|
| 子の刻 | 23時〜1時ごろ | 真夜中を含む時間帯 |
| 丑の刻 | 1時〜3時ごろ | 夜が深まり、人の動きが少ない時間帯 |
| 寅の刻 | 3時〜5時ごろ | 夜明け前へ向かう時間帯 |
※表内の時刻は、十二支一つ分を約2時間として現代の時計へ対応させた目安です。
図のように、十二支を時計の文字盤のように並べると、子から亥までの12支で一日を一周します。
十二支の方角もあわせて知りたい場合は、丑寅の方角と十二支方位の早見表で、艮・乾・坤・巽や鬼門まで確認できます。
十二支は年・方角・時刻に使われる
十二支というと、卯年・戌年などの年を思い浮かべる人が多いかもしれません。十二支は、年だけでなく、方角や時刻を示す場合にも使われます。
- 年を表す:卯年・戌年など
- 方角を表す:子の方角は北、卯の方角は東など
- 時刻を表す:子の刻・丑の刻・寅の刻など
古典本文で「丑」「寅」などが出てきたときは、動物や年だけでなく、時刻や方角を表していないかを確認する必要があります。
十二支一つ分の時間帯をさらに細かく分ける
十二支一つ分を現代の約2時間に対応させるだけでは、細かい時刻を表せません。そのため、一つ・二つ・三つ・四つの4つに分ける表し方があります。
この記事の換算では、一つの区切りを約30分として考えます。丑三つのほかにも、子一つ、子四つ、寅二つなどの表現が古典作品に出てくることがあります。
正午・午前・午後と午の刻
午の刻は、現代時刻では午前11時〜午後1時ごろにあたる時間帯です。その中央にあたる昼の12時を正午と呼びます。
「午前」の「午」と「午後」の「午」も午の刻、つまり正午を表します。午前は正午より前、午後は正午より後の時間帯です。
3. 十二支の時刻を古典読解でどう使うか
十二支の時刻は、早見表だけを暗記するのではなく、人物の行動や周囲の描写と結びつけて読むことが大切です。
- 深夜なのか、明け方なのかを確認する
- 人物が移動・訪問・帰宅する時間帯を考える
- 人目を避ける必要がある場面かを考える
- 宮中行事や夜間の勤務と結びつける
- 月・夜明け・鐘・鳥の声などの描写と合わせて読む
たとえば、丑の刻に人を訪ねる場面なら、周囲が寝静まった深夜の訪問です。寅の刻に出発する場面なら、夜明け前から行動していることが分かります。卯の刻に帰る場面なら、朝方まで外出していた可能性を考えられます。
『伊勢物語』第69段「狩の使」の例
子一つより丑三つまであるに、まだ何ごとも語らはぬに、帰りにけり。
『伊勢物語』第69段では、女が人々の寝静まるのを待ち、「子一つばかり」に男のもとを訪れます。その後、子一つから丑三つまで一緒にいたものの、十分に語り合わないまま帰ったことが記されています。
この記事の換算表に沿えば、子一つは23時〜23時半ごろ、丑三つは午前2時〜2時半ごろが目安です。人目を避けて深夜に訪れたものの、十分に語り合わないまま別れなければならなかったため、本文は直後に「男、いと悲しくて」と続きます。時刻表現を人物の行動と結びつけることで、男の心情を読み取りやすくなります。
本文確認:『伊勢物語』第69段「狩の使」校訂本文
『枕草子』「時奏する」の例
宮中の夜に時刻を知らせる声や音について、次のように記されています。
時丑三つ・子四つなど、はるかなる声にいひて、時の杭さす音など、いみじうをかし
「時を奏す」とは、平安時代の宮中で、左右近衛府の夜行の官人が夜の時刻を大声で知らせることです。官人は一つの時間帯を一つから四つまでに分け、各区分の時刻を告げながら、「時の簡」と呼ばれる札に杙(くい)を差しました。
ここで「丑三つ」は、怪談のための表現として使われているのではありません。宮中で行われていた夜間の時刻管理と結びついた言葉です。遠くから聞こえる声や杙を差す音まで含めて読むことで、夜の宮中の静けさを具体的に想像できます。
語句確認:コトバンク「時を奏す」
作品中の時刻を読む順序
- 十二支の時刻を現代時間の目安へ置き換える
- 深夜・夜明け前・朝方など、大きな時間帯を捉える
- 人物がその時間に行動する理由を考える
- 月、暗さ、鐘、鳥の声などの描写と結びつける
時刻表現とあわせて月の呼び名や満ち欠けを確認したい場合は、有明の月の意味と時間帯も参考になります。夜や明け方の場面を、月の位置とあわせて読み取りやすくなります。
動画で十二支の時刻を確認する
古典専門塾かきつばた講師・岡部が、十二支と時刻の関係を図を使いながら解説しています。
- 子・丑・寅など十二支の並び方
- 十二支一つ分の時間帯と現代時刻の対応
- 丑三つ時を求める考え方
- 時刻表現を場面理解へつなげる方法
動画を見た後は、時刻だけでなく、その時間帯に人物が何をしているかを本文で確認すると、読解に使える知識として定着しやすくなります。
5. よくある質問
丑三つ時は何時から何時までですか?
現代時刻の目安では、午前2時〜2時半ごろです。丑の刻を午前1時〜3時ごろとし、その約2時間を4等分した3番目にあたります。
丑の刻は何時から何時までですか?
現代時刻の目安では、午前1時〜3時ごろです。中心となる時刻は午前2時です。
丑三つ時と丑の刻は何が違いますか?
丑の刻は午前1時〜3時ごろの約2時間全体です。丑三つ時は、丑の刻を4つに分けた3番目で、午前2時〜2時半ごろを指します。
丑三つ時は午前2時ちょうどですか?
午前2時ちょうどだけではなく、午前2時から2時半ごろまでの時間帯を指す表現として説明されます。
丑三つ時の「三つ」は午前3時という意味ですか?
午前3時という意味ではありません。丑の刻を4つに分けたうち、3番目の区切りであることを表します。
子の刻は何時から何時までですか?
現代時刻の目安では、前日の23時〜当日の1時ごろです。0時、つまり真夜中を中心とするため、現代の日付をまたぐ時間帯になります。
十二支の時刻はどう覚えますか?
子の刻を0時とし、十二支が一つ進むごとに2時間を足します。子は0時、丑は2時、寅は4時、卯は6時という順です。時間帯は、それぞれの中心時刻の前後約1時間と考えます。
十二支の時刻は季節によって変わりますか?
使われた時刻制度によって異なります。近江神宮の解説によると、平安時代の宮廷では、季節によって時間帯の長さが変わらない定時法が正式な制度として使われていたとされています。一方、江戸時代の不定時法では、昼と夜をそれぞれ6等分したため、一つの時間帯の長さが季節や昼夜によって変化しました。この記事の早見表は、現代時刻へ置き換えた学習上の目安です。
6. まとめ:丑三つ時と十二支の時刻を読解に使う
丑三つ時は、単に「夜中」を表す言葉ではなく、丑の刻をさらに細かく分けた時刻表現です。
- 丑の刻は、現代時刻の目安では午前1時〜3時ごろ
- 丑三つ時は、丑の刻を4つに分けた3番目
- 丑三つ時は、午前2時〜2時半ごろが目安
- 子の刻を0時として、十二支が一つ進むごとに2時間を足すと確認しやすい
- 子・丑・寅は、真夜中から夜明け前までの流れを表す
- 現代時刻への換算では、作品の時代や時刻制度に注意する
- 古典では、人物の訪問、移動、別れ、宮中生活などを読む手がかりになる
時刻だけを機械的に置き換えるのではなく、深夜なのか、夜明けが近いのか、その時間に人物が何をしているのかまで考えると、古典作品の場面が見えやすくなります。
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