東大古文・漢文の現代語訳と記述|主語・指示語を押さえる読み方【後半】

現代語訳とは、古文や漢文で書かれた内容を、本文の意味を変えずに現代の読者へ伝わる言葉で表すことです。

このページでは、現代語訳の基本的な意味と作り方を確認したうえで、東大古文・漢文の現代語訳や説明記述で必要になる主語、指示語、助動詞、句法、設問条件の扱い方を説明します。

特に、次のような悩みがある受験生を対象としています。

  • 現代語訳と逐語訳、直訳、意訳の違いが分からない
  • 本文の内容は分かるのに、現代語訳で点を取り切れない
  • 主語や指示語を、答案にどこまで書けばよいか分からない
  • 助動詞や漢文句法を訳文にどう反映するか確認したい
  • 説明問題で背景を書きすぎ、理由の中心がぼやけてしまう
  • 過去問の自己採点で、答案に足りない要素を判断しにくい

例文は考え方を説明するための簡略例であり、実際の東大過去問からの引用ではありません。

大学受験の古典学習を、単語・文法・読解・記述まで含めて確認したい方は、大学受験古文・漢文対策の全体像もあわせて確認してください。


現代語訳とは、古文・漢文を現代の言葉で表すこと

現代語訳では、原文に使われている単語を現代語へ置き換えるだけでなく、文全体の意味が伝わる形で訳文を作ります。

具体的には、次の内容を確認します。

  • 古い語句を、文脈に合う現代の言葉へ置き換える
  • 省略された主語や目的語を、必要な範囲で補う
  • 助動詞、助詞、敬語が表す意味を訳へ反映する
  • 漢文の否定、反語、使役、受身、再読文字などを訳へ反映する
  • 人物関係や出来事の順序が分かる日本語にする
  • 本文に書かれていない感情、理由、評価を勝手に加えない

読みやすさだけを優先すると、本文にない内容を加えた意訳になることがあります。一方、語句を機械的に並べるだけでは、誰の行動なのか、何を指しているのかが分からない訳になる場合があります。

本文の内容を保つことと、現代の日本語として意味が通ることの両方が、現代語訳には必要です。

一文で確認する現代語訳の基本例

次は、現代語訳を作る流れを確認するための簡略例です。

原文:女、男より文を得て、うれしと思ひけり。

原文の表現 確認する意味
後ろの「得て」「思ひけり」の主語
男より 男から
文を得て 手紙を受け取って
うれし うれしい
思ひけり 思った。この例では「けり」を過去として扱う

省略された人物:「得て」「思ひけり」の主語は、文頭に示された女です。

逐語的な訳:女は、男から手紙を得て、うれしいと思った。

答案として表した現代語訳:女は、男から手紙を受け取って、うれしく思った。

表現を変更した理由:「文を得る」を、現代の日本語として自然な「手紙を受け取る」に改めています。「けり」が表す過去の意味は「思った」に反映しています。

このように、最初に単語や文法との対応を確認し、その後で本文の意味を変えない範囲で訳文を作ります。

同じ原文でも、誤りの原因は異なる

答案 問題点
男は、女から手紙を受け取って、うれしく思った。 男と女を取り違え、主語と人物関係を誤っている
女は、男から手紙を受け取って、うれしく思う。 「けり」が表す過去を訳へ反映していない
女は、男と再会できると期待して、うれしく思った。 本文に書かれていない期待や理由を加えている
女は、男から手紙を受け取って、うれしく思った。 主語、人物関係、動作、助動詞を本文に沿って反映している

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現代語訳・口語訳・逐語訳・直訳・意訳の違い

現代語訳と似た言葉に、口語訳、逐語訳、直訳、意訳があります。大学受験では、それぞれの役割を分けて考えると答案を作りやすくなります。

用語 意味・役割 大学受験での扱い
現代語訳 古文や漢文の内容を、現代の言葉で意味が通るように表す 語句、文法、句法、人物関係を保ちながら、答案として分かる日本語にする
口語訳 古い文語表現を、現代に使われる口語的な表現へ改める 現代語訳とほぼ同じ意味で使われる場合がある
逐語訳 語句や文法事項を、一つずつ原文と対応させて訳す 答案を作る前の確認方法として有効だが、そのままでは日本語が不自然な場合がある
直訳 原文の構造と意味をできるだけ保ちながら訳す 本文の要素を落とさず、意味が通る形で表す
意訳 文脈に合わせて、意味が分かりやすい表現へ言い換える 本文にない感情や理由まで加えないよう注意する

大学受験で求められる現代語訳は、単純な逐語訳でも、自由な意訳でもありません。逐語訳によって本文の要素を確認し、それらを保ちながら、答案として意味が伝わる日本語にします。

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古文・漢文の現代語訳を作る方法

現代語訳は、最初から完成した日本語を考えるのではなく、本文の要素を順番に確認して作ります。

現代語訳を作る基本的な順番

  1. 傍線部と、その前後の文脈を読む
  2. 単語、助動詞、助詞、敬語、漢文句法を確認する
  3. 省略された主語や目的語を判断する
  4. 指示語が何を指すか確認する
  5. 語句や文法を一つずつ反映した逐語訳を作る
  6. 本文の意味を変えない範囲で、自然な現代語に直す

設問に「主語を明らかにして」「指示内容を明らかにして」などの条件がある場合は、その内容も訳文の中へ入れます。

古文の現代語訳を作るときの確認項目

  • 古文単語を文脈に合う意味で訳しているか
  • 助動詞や助詞の意味を落としていないか
  • 敬語の種類と敬意の方向が分かっているか
  • 前後の行動や会話から主語を判断できるか
  • 省略された目的語を補わなければ意味が通らないか
  • 和歌や呼応表現など、文全体で意味を取る箇所がないか

逐語訳から答案を作る簡略例

本文例:え参らざりけり。

文法要素:「え~ず」は不可能、「ざり」は打消し、「けり」はこの例では過去として扱う。

不十分な訳:参上しなかった。

文法要素を確認するための逐語的な訳:参上することができなかったのだった。

答案として表した訳:参上することができなかった。

不十分な訳では、「え~ず」が表す不可能の意味が抜けています。「参上することができなかったのだった」とすれば、各文法要素との対応を確認しやすくなります。

実際の答案では、日本語が重くならないように「参上することができなかった」と表すこともできます。この場合も、「けり」を過去と判断した内容は「できなかった」という過去形に含まれています。

ただし、「けり」が過去を表すか、気付きを表すかは文脈によって変わります。助動詞の意味を機械的に一つへ決めず、前後の内容と合わせて判断してください。

意訳しすぎると本文にない内容が入る

本文の意味:人目が多いため、会いに行くことができなかった。

意訳しすぎた答案:周囲の人に関係を知られるのが怖くて、会いに行くのを諦めた。

本文に「怖い」「関係を知られる」「諦めた」という内容がなければ、この答案には推測が入りすぎています。理由を分かりやすくしようとしても、本文から確認できない感情まで加えてはいけません。

漢文の現代語訳を作るときの確認項目

漢文では、まず書き下し文によって句法や語順を確認します。ただし、書き下し文を作ることと、現代語訳を完成させることは同じではありません。

  • 否定や部分否定の範囲を確認する
  • 反語を通常の疑問として訳さない
  • 使役・受身の関係を明らかにする
  • 再読文字を二度読む意味まで訳す
  • 発言者や行動者が切り替わる位置を確認する
  • 必要に応じて主語や目的語を補う
  • 書き下し文の語順を、意味が通る現代語に直す

反語を現代語訳へ反映する簡略例

漢文例:豈忘恩乎。

書き下し文:豈に恩を忘れんや。

不十分な訳:どうして恩を忘れるだろうか。

反語を明確にした訳:どうして恩を忘れるだろうか、いや、決して忘れない。

反語表現は疑問の形を取っていますが、文意としては強い否定を表します。設問や解答欄の長さに合わせて、否定の意味が伝わる訳にします。

使役・再読文字・主語の交代を含む漢文の簡略例

次は、複数の確認項目を含む考え方のための簡略例です。

漢文例:王使臣召客。客未敢入。

書き下し文:王、臣をして客を召さしむ。客、未だ敢へて入らず。

人物関係:王が家臣に命じ、家臣が客を呼びます。二文目の主語は家臣ではなく客です。

使役:「使A~」は、「Aに~させる」という意味です。

再読文字:「未」は再読文字で、「いまだ~ず」と読み、「まだ~ない」と訳します。

「敢」の意味:この例では、「思い切って~する」「~する勇気がある」という意味で捉えます。

不十分な訳:王は家臣をして客を召させた。客はいまだあえて入らない。

現代語訳:王は家臣に客を呼ばせた。客はまだ入る勇気がなかった。

最初の訳でも句法との対応は確認できますが、現代語としては「家臣をして」「いまだあえて」が不自然です。現代語訳では、誰が誰に何をさせたのか、二文目で主語が誰へ変わったのかが伝わる表現にします。

なお、原文には二文を逆接でつなぐ語や、入る場所は明示されていません。そのため、この例では「しかし」「中へ」などの内容を加えていません。

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動画で全体像を確認したい方へ

以下の動画では、東大古文・漢文の現代語訳や記述答案を作る際の考え方を解説しています。ここまでの基本説明を確認した後に視聴すると、主語、指示語、文法、設問条件の関係を整理しやすくなります。


東大古文・漢文では何を答案に反映するのか

東大古文漢文の現代語訳で主語と指示語を確認するイメージ

東大の古文・漢文では、単語や文法を知っているだけでなく、それらを本文の人物関係や設問条件と結び付けて答案へ反映する必要があります。

文章自体は比較的読みやすく見えても、物語・随筆・日記・説話・思想文など、扱われる文章の種類はさまざまです。異なる文章でも主語や論理関係を追えるようにする必要があります。

東大対策として特に確認したい点

確認する点 答案で必要になること
省略された主語 敬語、助詞、会話、前後の行動から動作主を判断する
指示語 一語だけでなく、発言や出来事全体を受けていないか確認する
文法・句法 知識として答えるだけでなく、現代語訳の表現へ反映する
設問条件 主語、理由、状況など、指定された内容を答案内に明示する
説明記述 背景を書き並べず、設問が求める理由や心情を中心にまとめる
本文の根拠 答案に入れた内容が、本文のどの表現から判断できるか確認する

設問は、大きく分けると次の二つです。

  • 傍線部の意味を本文に沿って表す現代語訳
  • 内容・理由・心情・状況をまとめる説明記述

どちらの形式でも、本文をおおまかに理解しただけでは答案が安定しません。誰の行為か、何を指しているか、どの文法事項を訳すか、なぜその状況になったかを分けて確認します。

古文と漢文で確認する項目

確認項目 古文で見る点 漢文で見る点
主語 敬語の方向、助詞、会話の前後、人物関係 直前の人物、発言者、行為の連続、文脈上の対比
文法・句法 助動詞、助詞、敬語、係り結び、呼応表現 否定、反語、使役、受身、比較、抑揚、再読文字
指示内容 指示語が受ける語句・場面・心情 「是」「此」などが受ける発言・行動・考え
日本語への変更 省略された主語や目的語を必要な範囲で補う 書き下し文の語順にとどまらず、意味が通る現代語にする
説明記述 人物関係、心情の理由、場面の変化 主張と根拠、対比、発言の意図、故事や比喩の意味

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主語を誤ると、訳文全体の意味が変わる

東大古文漢文で主語を補って読むイメージ

古文では主語が省略されることが多いため、傍線部だけを見て訳すと、動作主を取り違えることがあります。主語を判断するときは、次の順で確認します。

  1. 直前まで誰の行動や心情が述べられていたか
  2. 尊敬語や謙譲語が、誰から誰への敬意を表しているか
  3. 「て」「ば」「ど」などの接続の前後で主語が変わっていないか
  4. 会話文の話者と、会話後の行動者が同じか
  5. その人物を主語にしたとき、場面全体の流れが通るか

前後の行動から主語を判断する簡略例

前後の文脈:男、姫君の御前に参りぬ。姫君を見奉りて、いと悲しく思ひけり。

不十分な訳:姫君を拝見して、たいそう悲しく思った。

主語を補った訳:男は姫君を拝見して、たいそう悲しく思った。

直前の文では、男が姫君の前へ参上しています。次の文にも別の動作主を示す表現がないため、行動の主体は男のまま続いていると判断できます。

また、「見奉る」の「奉る」は、ここでは「見る」の謙譲語です。見る主体である男が自分の動作を低めることで、その対象である姫君を高めています。この敬語の関係も、男が姫君を見たという主語判断と一致します。

主語を補わなければ意味が曖昧になる場合は、本文の根拠に沿って動作主を示します。ただし、本文から一人に決められない場合に、推測だけで人物名を加えてはいけません。

漢文でも主語の継続と切り替わりを見る

漢文でも、複数の人物が登場する文章では主語を取り違えることがあります。発言の後に続く行為が、発言者の行為なのか、発言を受けた人物の行為なのかを確認してください。

対話文、君臣のやり取り、人物を比較する文章では、人物が切り替わる位置を意識します。訳文だけを読んだときに、誰の発言・判断・行為なのかが分からない場合は、必要な範囲で主語を補います。

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指示語は一語ではなく、場面全体を指すことがある

古文・漢文の指示語は、直前の名詞一語を当てはめるだけでは意味が通らない場合があります。指示語の直前だけでなく、前後の発言、出来事、人物の態度まで確認します。

指示語が受ける範囲と答案での具体化例

指示される内容 確認する範囲 答案での具体化例
人物や物 直前に示された人物名や物の名称 「その人」を「使者」とする
発言 直前の会話文や人物の主張 「これ」を「帰ると告げたこと」とする
出来事全体 複数の文にわたって説明された行動や結果 「これ」を「女が手紙の返事をしなかったこと」とする
態度や心情 人物が示した行動、表情、考え方 「そのこと」を「男が訪れようとしない態度」とする
後ろに続く内容 指示語の後にある説明、引用、結論 後続する発言や判断の内容を短くまとめる

出来事全体を指す簡略例

前後の状況:男は長い間、女のもとを訪れなかった。後になって男が手紙を送ったが、女は返事をしなかった。男について「これを恨みて」と続く。

不十分な訳:これを恨んで。

具体化した訳:女が手紙の返事をしなかったことを恨んで。

この例では、「これ」は単独の名詞ではなく、女が男の手紙に返事をしなかったという出来事を受けています。

設問が指示内容の明示を求めている場合、「これ」「それ」と訳文に残しただけでは条件を満たしません。指示語が受ける出来事を、答案として意味が通る長さにまとめます。

一方で、本文の一段落全体をそのまま書き写す必要はありません。後ろに続く感情や行動とつながる内容を選び、簡潔に表します。

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条件付き現代語訳は、設問の指定から確認する

この章で扱うのは、試験中に設問を読み、答案を書き始める前の確認です。

条件付き現代語訳では、語句を正しく訳していても、設問に書かれた指定を満たしていなければ、必要な要素が不足します。

訳し始める前の確認順序

  1. 傍線部の範囲を確認する
  2. 設問に指定された条件へ印を付ける
  3. 主語・指示語・文法事項・句法を確認する
  4. 条件を含めた逐語訳を作る
  5. 本文の意味を変えない範囲で自然な日本語にする

設問では、次のような条件が付くことがあります。

  • 主語または動作主を明らかにする
  • 指示語の内容を明らかにする
  • 理由や状況を補って訳す
  • 和歌の掛詞や縁語を踏まえる
  • 漢文の句法が表す意味を明確にする

条件を落とした答案と反映した答案

設問条件:「その人」が誰を指すか明らかにして訳しなさい。

条件を落とした答案:その人は、すぐに帰ってしまった。

条件を反映した答案:使者は、すぐに帰ってしまった。

最初の答案は本文の表現を現代語に置き換えていますが、設問が求める具体化をしていません。答案を書いた後は、設問文に書かれた条件が答案内に入っているかを確認してください。

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説明記述では、背景よりも理由の中心を書く

東大の記述では、状況、事情、理由、心情などを説明する設問があります。

「分かりやすく説明しなさい」という設問では、傍線部を言い換えるだけでは足りないことがあります。答案だけを読んでも意味が通じるように、必要な主語、状況、理由を補います。

ただし、背景を長く書くことが目的ではありません。人物の動機や理由を問われている場合は、その理由を中心にし、人物関係や場面説明は必要な範囲に絞ります。

背景を書きすぎた答案の簡略例

設問例:男が返事をしなかったのはなぜか。

背景に偏った答案:男と女は以前から手紙を交わしていたが、しばらく会えず、女は男からの連絡を待っていたから。

理由を中心にした答案:人目を避けなければならず、女に返事を送ることができなかったから。

背景に偏った答案は、人物関係を説明していても、「なぜ返事をしなかったのか」という問いに直接答えていません。設問の疑問語が「なぜ」であれば、答案の中心も理由にします。

説明記述に入れる要素を分ける

  • 主体:誰の行動・心情か
  • 原因:何がきっかけになったか
  • 状況:どのような制約や人物関係があるか
  • 心情・判断:その結果、何を感じたり考えたりしたか
  • 結論:傍線部が何を意味するか

すべての設問で五つの要素を書くわけではありません。設問に必要な要素を選び、本文の根拠に沿って組み合わせます。

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短い答案に必要な要素を足していく

この章で扱うのは、本文を読み、実際に答案を組み立てる場面です。

古文・漢文の記述答案は、複数の評価要素からできています。すべてを一度に完成させようとすると、何が不足しているか分かりにくくなります。

段階 確認する内容
1 傍線部の中心となる語句や出来事を書く
2 主語・目的語・指示内容を補う
3 助動詞・敬語・句法などを反映する
4 設問が求める理由・心情・状況を加える
5 重複や本文にない推測を削る

答案を段階的に作る簡略例

第1段階:悲しく思った。

第2段階:女は悲しく思った。

第3段階:女は、男が訪れないことを悲しく思った。

第4段階:女は、再会を期待していた男が訪れなかったため、悲しく思った。

要素を分けると、自分の答案に不足しているのが、主語なのか、指示内容なのか、理由なのかを確認しやすくなります。

完全な答案を作れない場合でも、本文から確認できる語句、助動詞、句法、理由などは答案へ残します。根拠のない推測で空白を埋めるのは避けてください。

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過去問を解いた後は、点数ではなく不足要素を確認する

この章で扱うのは、模試や過去問を解き終えた後に、誤答の原因を分析する場面です。

模範解答との言葉の違いだけを見るのではなく、どの答案要素が不足していたかを確認します。

過去問後の確認項目

  • 傍線部の語句を、どこまで訳文に反映できたか
  • 助動詞・助詞・敬語・句法を落としていないか
  • 主語を本文の根拠に沿って判断できたか
  • 指示語が受ける内容を具体化できたか
  • 理由説明で、設問に直接答えているか
  • 本文にない感情や評価を加えていないか
  • 必要な背景と不要な背景を区別できたか

自己採点から書き直しまでの流れ

  1. 時間を決めて、まず自分の答案を書く
  2. 模範解答を見る前に、答案の根拠となる本文へ印を付ける
  3. 解説や採点基準と比べ、不足要素を項目別に確認する
  4. 不足した理由を「知識不足」「主語判断」「条件漏れ」などに分ける
  5. 同じ問題を、本文を見ながらもう一度書く
  6. 後日、本文だけを見て再度答案を作る

先生や添削者に確認するときは、「この答案は何点ですか」だけで終わらせず、主語、指示語、文法、背景説明の根拠を尋ねることが大切です。

解いた問題数だけではなく、一問からどれだけ読み方と答案の作り方を回収できたかを確認してください。

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自分で確認しやすい範囲と、添削が役立つ範囲

単語、文法、句法など、正誤を資料で確認しやすい項目は、自分でも直しやすい部分です。一方、主語や指示語の範囲、説明記述に入れる背景の量などは、自己採点だけでは判断しにくい場合があります。

自分で確認しやすい項目 第三者の確認が役立つ項目
単語の意味 省略された主語の判断
助動詞・助詞の基本的な意味 指示語が受ける範囲
漢文句法や再読文字 説明記述に必要な背景の量
設問条件の有無 答案中の推測と本文根拠の区別
模範解答にある語句との対応 別の表現でも必要な要素が満たされているか

答案全体を継続して見直したい場合

東大古文・漢文では、主語補い、指示語の具体化、条件の反映、記述要素の選択を、別の問題でも再現できるようにする必要があります。

  • 複数の過去問で、同じ主語判断の誤りを繰り返している
  • 自己採点と添削結果の差が大きい
  • 背景説明が長くなり、理由の中心をまとめられない
  • 古文・漢文を含めて、受験までの学習順序を見直したい

一つの答案や特定箇所の確認にはスポット指導、複数の過去問を通した継続的な見直しには、大学受験古文・漢文の個別指導という使い分けができます。

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現代語訳と東大古文・漢文の記述に関するFAQ

現代語訳と口語訳は同じですか。

古文や漢文を現代の言葉で表すという点では、ほぼ同じ意味で使われる場合があります。大学受験では、本文の語句や文法を保った訳が必要です。

現代語訳と直訳は何が違いますか。

現代語訳は、古文や漢文を現代の言葉で表した訳全体を指します。直訳は、その中でも原文の構造や意味をできるだけ保つ訳し方です。

逐語訳をそのまま答案に書いてよいですか。

逐語訳のままでは日本語が不自然になる場合があります。語句や文法との対応を確認した後、本文の意味を変えずに自然な日本語にします。

現代語訳は、どこまで自然な日本語に直してよいですか。

本文の語句、文法、句法、人物関係を変えない範囲で直します。本文にない感情や評価を加えるのは避けてください。

主語や目的語を補うと、本文にない内容を加えたことになりませんか。

前後の文脈や敬語から判断できる内容を、意味が通るために必要な範囲で補うことはできます。推測だけで人物名や理由を加えてはいけません。

設問に指定がなくても、主語を補うべきですか。

主語を書かなければ誰の行為か分からない場合は補います。補わなくても意味が通る場合は、必ず人物名を書く必要はありません。

指示語はどこまで具体化すればよいですか。

指示語の後ろに続く行動や心情が理解できる範囲まで具体化します。発言や出来事全体を短くまとめる場合もあります。

分からない単語がある場合も答案を書くべきですか。

本文から確認できる語句、助動詞、句法、主語、理由は答案へ入れます。分からない部分を根拠のない推測で埋めるのは避けてください。

漢文の書き下し文と現代語訳は何が違いますか。

書き下し文は句法や読み方を確認するためのものです。現代語訳では、反語、否定、使役、受身、再読文字などの意味を現代の言葉で表します。

模範解答と表現が違ってもよいですか。

表現の違いだけで誤りになるとは限りません。本文の語句、文法、主語、指示内容、理由、設問条件が含まれているかを確認します。

過去問の自己採点では、何を確認すればよいですか。

模範解答との言葉の違いではなく、主語、指示内容、文法・句法、理由、心情、設問条件のうち、どの要素が入っていたかを確認します。


まとめ

現代語訳と東大古文・漢文の記述では、次の点を確認してください。

  • 現代語訳は、古文・漢文の内容を現代の言葉で意味が通るように表す
  • 逐語訳で語句や文法を確認し、本文の意味を変えずに自然な日本語にする
  • 主語は敬語、助詞、発言者、人物関係を根拠に判断する
  • 指示語は、直前の一語だけでなく、発言や状況全体を受ける場合がある
  • 条件付き現代語訳では、設問の指定を答案内に明示する
  • 漢文では、書き下し文にとどまらず、句法や主語関係を現代語へ反映する
  • 説明記述では、設問が求める理由を中心にする
  • 過去問後は、点数だけでなく、本文のどこを根拠にしたかを確認する

語句や文法だけでなく、主語、指示内容、設問条件、理由を一つずつ確認すると、自分の答案で直すべき箇所が見えやすくなります。

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